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札幌発!白老ポロトコタンでアイヌの歴史と文化を再発見〜ちょいのり女子旅第一弾・後編

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こんにちは、いよいよ新緑の季節。昼間はポカポカとした日も多く、とても心地よく過ごせるようになりました。
さて、前回札幌から出発して苫小牧までちょいのりを走らせた編集部一行。今回は一路白老へ! ポロトコタンでアイヌ文化に触れてきました。それでは後半戦、スタートです!

前編
レンタカーを借りてさぁ出発! 平岡公園で梅見をして朝ごはん
イコロの森散策〜森の庭で感じる大自然と北海道作家の息遣い
昼食はぷらっとみなと市場へ!とりあえず逢海でほっき尽くし

後編
白老ポロトコタンで出逢う、アイヌ文化と人々のあたたかさ
いざ札幌へ! 日帰り女子旅の終わり

白老ポロトコタンで出逢う、アイヌ文化と人々のあたたかさ

昼食を終えて外に出ると、すっかり雨も止んでいます。せっかくなので、少し足を伸ばして白老まで行ってみましょうか。天気やスケジュールと相談しながら行き先を柔軟に選択できるのも、レンタカー旅の良いところ。だって、時刻表を気にする必要がないのですから。

苫小牧から白老までは、国道36号線を真っすぐ走って30分強の道のり。海沿いを通るので、陽射しが強い日でも窓を開ければ心地よい風が車内を通り抜けていきます。

一般財団法人アイヌ民族博物館が運営する「ポロトコタン」は、白老に昔からあったアイヌ集落を昭和40年代に入り、ポロト湖畔に移設した野外博物館です。資料館とアイヌ文化の調査研究・伝承保存・普及を目的としており、アイヌの人々の歴史や文化、暮らしぶりを見ることができます。2020年には民族共生の象徴となる空間(象徴空間)として、 国立博物館の開設が決まっています。 これにより、今以上にアイヌ文化の復興や多様で豊かな文化や異なる民族との共生を尊重する社会を形成するためのシンボルとなっていくようです。

ポロトコタン
http://www.ainu-museum.or.jp/

アイヌ民族博物館

ポロトコタンの敷地内へ入ると、まず迎えてくれるのが高さ16mもある村長(むらおさ)、コタンコロクルの像。正門を大きく超える高さに、思わずびっくり。近くで見るとさらにすごい迫力ですよ。ちなみに右手にイナウ(御幣)、左手には刀を握っていますが、この刀は儀式用のもので武器ではないそうです。

ポロトコタン

園内にはヒグマや北海道犬などアイヌに深く根付いた動物たちの姿も。

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ポロトコタン中ほどにある博物館では、アイヌの歴史をより深く学ぶことができます。まったくの偶然なのですが、なんと本日のドライバーでもある友人の同級生の方が、ポロトコタンで学芸員をされていました! 快くご案内いただきました押野さん、ありがとうございます。

向かって左が常勤学芸員の押野 朱美さん

向かって左が常勤学芸員の押野 朱美さん

博物館はアイヌの世界をあらわした絵から始まり、当時の着物や工具、織物や儀式の模型が展示されています。

こちらは植物のオヒョウを使って織り上げた着物。柔らかく強靭な素材だそうで、見た目は麻にも似ています。

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この着物のちょうど真裏に、機織りの模型が設置されています。オヒョウの他にもイラクサやツルウメモドキなどの植物の繊維を使っていたとのこと。たて糸によこ糸を交互に通し、へらでしめて布にするという、織り上がるにつれて前に進む技法が用いられていました。

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アイヌの生活を語る上で欠かせないのはやはり神への祈りや儀式について。屠殺した熊の魂を神々のもとへ還すイヨマンテ(熊の霊送り)がもっとも有名ですが、日常生活の中でも仕事のはじめや来客があった際には簡単な祈りを行い、季節の節目には盛大な神事が執り行われたそうです。
木幣などの儀式に欠かせない用具を作成・使用するのは男性の役割で、女性が担当することはありませんでした。とはいえ男性だけが働いていたわけではなく、前述した機織りのようにそれぞれの仕事がしっかりと決まっていたのですね。

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祈りの儀式の様子です。アイヌの人々はこうした神事をとても大切にしていました。

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そして、驚いたのがこちら! 川を渡るための船ですが巨大な丸太を一本丸ごと繰り抜いて作っているそう。ついでながら、海を渡る船は別の形状です。潮や波など海の特長に合わせて、川とは乗り物も使い変えていたとのことです。

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博物館には着物もたくさん展示してあります。刺繍や模様は地域ごとに異なります。たとえば下の写真を見てください。一番手前は噴火湾沿岸および白老地方に伝わっているルウンペという衣服です。中央に飾られているのはカパラミプといい、明治末ころから大正時代に北海道南部の静内地方(現新ひだか町)で作成されていたといわれています。少し見えにくいですが、最奥にある衣裳は刺繍だけが施されているチヂリという種類です。これは、道東地方で多く見られたそうです。

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この他にもお墓の様子や子どもたちの遊び、武器についてなど本当にたくさんの展示がされています。疑問を尋ねると学芸員の方が丁寧に説明してくださるので、わかりやすく、飽きることなく見回ることができますよ。今まで知らなかったこともたくさん吸収することができるので、大人の方はもちろん、お子さまの自由研究にもオススメではないでしょうか。

最後に、チセ(アイヌ語で家)で行われる古式舞踊を見学させてもらいました。最初に生活や風習についてのお話があるのですが、とても興味深く聞くことができます。中でも印象的だったのは、女性の刺青の話。アイヌの大人の女性は唇の上に大きな刺青が入っています。

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幼い頃から口の周りに細かいキズをつけ、囲炉裏などで焚いたシラカバの樹皮から取った煤を擦り込むのだそう。もちろん大変な苦痛を伴うので、長い年月を掛けて施術をしていたようです。聞くだけでも痛みが伝わってくる気がしますが、女性が一人前の大人と認められる大切な通過儀礼だったとのことです。刺青を入れる理由は諸説ありますが、現代では行われていません。儀式などの際には、口の周りを刺青の形に塗ることもあるそうです。

この後、ムックリやトンコリといったアイヌの伝統楽器の演奏と、歌を披露していただきました。最後にはイヨマンテの舞踊を見ることもでき、アイヌ文化を肌で感じた一日となりました。

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私は北海道で生まれ育ったのですが、アイヌの歴史について深く知る機会は今まで多くありませんでした。自ら調べようと思わなければ、大まかな概要しか知ることはないのです。実際の工芸品や音楽などを交えながら楽しく学ぶことで、大変有意義な時間を過ごせることと思います。

帰りにはお土産も買える

ポロトコタンの正門前にはおみやげ屋さんが数軒並んでいます。ここでは熊の木彫りの実演も見ることができますよ。

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以前は三角形の切り口で彫られるのが主流だったそうですが、現在では丸鋸で削り彫刻刀で仕上げるそう。確かに毛並も自然だし、実はお掃除もしやすいのですって。一石二鳥ですね。
完成形は子どもを加えた親子熊に。ちなみに着色されていない物の方が毛並がよくわかるので、腕が問われるという話です。

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お隣には民芸品のお店がありました。気さくな女性店員さんから進められた鮭とばと燻製が、これまたおいしい!
通常とばを作る時は、川を遡上した鮭を使っているので脂が乗っておらず、食用油を足して乾燥させているのですが、こちらで扱っている鮭は遡上前の鮭。身そのものに脂があるため、そのまま干すだけでとても柔らかく味の濃いとばや燻製ができあがるそうです。

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自宅でお酒のおつまみにも、お土産に購入しても喜ばれる一品です。3袋で1,000円(1袋400円)とリーズナブルなので、車の中でのおやつにも良いですね。

いざ札幌へ! 日帰り女子旅の終わり

札幌から苫小牧、白老へと気の向くままにちょいのりレンタカーを走らせた今回。そろそろ札幌へと帰る時間となりました。
ギアをパーキングに入れた状態で、カーナビをセット。帰路も安全運転を心がけます。

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朝から天候に恵まれず不安な滑り出しとなりましたが、振り返ってみると、人の優しさに支えられた本当に素晴らしい一日だったと思います。北海道といえば、札幌・函館・小樽・富良野などの有名どころに目が行きがちですが、なんといっても北の大地は広いのです! まだまだ行くべきスポットは数えきれないほど。
苫小牧・白老は高速道路を使わなくても、札幌から二時間圏内なので移動しやすく、日帰りでドライブするにはもってこいの場所です。白老には足湯をはじめ温泉も多いので、ゆったりと過ごしたい方にもオススメ。これからの季節には各地で花も咲き始め、色とりどりの美しい景色にも出会えるはずですよ! ぜひ足をお運びください。

午後7時30分、ちょいのりレンタカーすすきの店へ到着です。一日付き合ってくれたノート君に給油をして、お別れをします。
今回レンタルした日産ノートはSPクラスのコンパクトカーなので、12時間で3,800円(税別/会員価格)。Kクラス(軽自動車)であれば、12時間2,400円でレンタルできますよ(税別/会員価格)。

ちょいのりレンタカー料金表(SPクラス)
https://www.choinori.jp/price/

帰着後は、ガソリン代を精算して終了! 本当に難しい手続きは一切ナシでしたし、給油も店舗でできるため、ガソリンスタンドを探して彷徨う必要もありません。
繁華街のほど近くなので、このまま街へ繰り出すにも駅へ向かうのもラクラク。とても充実した旅をありがとう! 次はどこへ行こうかな。

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前編記事はこちらから>>
札幌発!苫小牧イコロの森と大興奮ほっきグルメ〜ちょいのり女子旅第一弾・前編
https://www.choinori.jp/kurutabi/choitabi_tomakomai/

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